2度目のチャンス、2度目の始まり「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」

監督:ジョン・ワッツ

脚本:クリス・マッケナ エリック・ソマーズ

2021年

 

あらすじ:ピーターパ―カーはスパイダーマンの正体だとバレたせいで友達と一緒に大学に進学できない!

 

とってもネタバレあり

無勉強鑑賞

スパイダーマンもマーベルもあんまり知らないで行ったんですが、おもしろかったです。

冒頭の追いヒーロー、ぜんぜん誰か分からなくて命拾いしました。

(ここに”マーベル映画のオススメを聞かれたとき、脳内で一作目からの映像が再生されてしまうので疲れる”というTwitterで見かけた漫画を貼りたかったけど見つけられませんでした)

ミステリオ誰だよ……からのスタートでしたが、子供の大学進学がおびやかされているのは許せない! そしてドクターストレンジ。私は思うんですけど…ドクターストレンジって嫌な……ヤツだよね……(でもみんな彼のこと好きだよね)

ドクターオクトパスとっても好きになりました。

 

私のスパイダーマン

そこからいろんなことがあり、

私が知っているスパイダーマンってアメイジングスパイダーマンでした。

嬉しかった。

マスクの顔を見て、私の知っているスパイダーマン! となった。

だからこそ、エレクトロの「黒人だと思ってた」という言葉は胸に沁みました。

 

スパイダーマンの映画が何度もリブートして作られているのは主に興業的な理由だと思うんですが、そのうえで意味づけられていく「”私のヒーロー”がスクリーンにいた」という経験のためだという理想を見ました。

いろんな個性を持つ俳優たちが活躍する映画が増えてきたと私と映画の距離感でさえ知った2021年、に、私の胸にスッと届いたのでした。

 

戦隊ヒーローの新作が発表されるたび「女性のレッドはいないのか」「男性のピンクはいないのか」と話題になるのは、このあたりの願いがあると私は思っています。

 

マルチバースの概念を持ってくることによって、私が「私の知ってるスパイダーマン!」を、嘘の存在だと思う必要がないですよね。優しい映画だなと思いました。

おそらくそのあたりはスパイダーマンバースでも語られているのかな? Dr.オクと合わせて、マーベルシリーズを見たいなと思いました。

 

セカンドチャンス

ストーリーラインには”2度目のチャンス”という言葉が敷き詰められている。

一度落ちた試験。

破局したはずの交際相手の家へ。

ヴィランたちに与えられた更生の機会。

別のバースでの後悔。

高卒認定試験。

手作りのヒーロースーツ。

たぶん他にもあります。

美しい脚本だなと思いました。物語だけで満足度がものすごく高かった。

一貫するテーマがあり、最後まで徹底されていると、すごく気持ちが良い。

 

後天的な疾患としてのスーパーパワー

超人たちが出てくるんですが、彼らの命を救うために、能力を”コントロール出来る形”にしようとピーターは考えます。

1発目はドクターオクトパス。彼は脊髄とAIの間を絶縁することで、「イライラがなくなり」「頭の中の声が消え」た。

(えっ、それって精神疾患じゃん)と思う。

 

まとめ

病気になってしまった人/間違えてしまった人が治療後の人生をどう生きるか、生きていこうね、という話でもあるなと思った。

 

ところでドクターストレンジが失敗しなければこんなことにならなかったのにと思う。

ピーターは子供なのに……