朝ドラinハワイアンズ『フラ・フラダンス』

総監督:水島精二

監督:綿田慎也

脚本:吉田玲子

2021年

 

あらすじ:プロダンサーの姉を持つ私がスパリゾートハワイアンズに2021年度ダンサー採用されてしまった!

 

hula-fulladance.com

 

(ネタバレあり)

福島県で暮らす日羽は進路に迷っていた。亡くなった姉を思い出しながらフラダンスを踊ると、父と母は笑顔を見せた。一念発起し、姉がフラダンスを踊っていたハワイアンズに応募。ダンサーとして採用される。4人の同期は個性派揃いだが、その中で日羽は一番ダンスが下手だ。ステージでの失敗を同期と乗り越え、日羽はダンサーとして成長をしていく。

ただよう朝ドラ感とリアリティ

主人公の日羽が進路を選ぶところから物語は始まる。高校を卒業してすぐに就職し、ダンサーとして働くことになるのだが、そのフレッシュさと苦悩と同期との友情、そして淡い恋はまるで朝ドラを見ているようだ。

アニメ映画ながらお仕事物としてのリアリティがあるのは、綿密な取材があったことが窺える描写だ。ハワイアンズの内装は必見。舞台裏や楽屋の美術は美しくも、「それダイソーで買ってきたカゴなんじゃ……!?」と思ってしまうくらいにリアルだ。また、お客さんが見ることのできない閉館後の業務も描かれており、舞台となるハワイアンズさんへのリスペクトをひしひしと感じた。

映画公開と時期を同じくして、日羽を演じる福原遥さんの朝ドラヒロイン決定の嬉しい知らせもあった。その事前知識もあり、なおのこと朝ドラ感を感じ取ってしまったのかもしれない。

東北が舞台ということもあり、『あまちゃん』を彷彿とさせた。

ともかく、頑張る主人公と同期愛、かっこいい先輩と憧れに終わる恋というものを職場に詰め込んだ作品というのは楽しい。

個性的な同期5人

(繋ぎ合わせた心と心 ダイバーシティ

フィロソフィーのダンスが歌う主題歌「サンフラワー」の歌詞だ。エンディングとして流れた歌詞を聞き、納得した。

滝川 蘭子

滝川さんは、日本のアニメの基準からするとふくよかな体系だ。

普段の生活において、美の基準をつきつけられることは多い。痩せていたほうが美しいと思わせられるのは、私は嫌になってしまっている。

彼女のようなキャラクターが、当たり前に主要人物の中にいることがどんなに嬉しいか(しかも業務成績が良いだなんて!)。

さらに、冬の回廊美術館で見せてくれた彼女の服装はめちゃめちゃ可愛かった。どんな体型でも可愛い恰好をしてほしい。

序盤の相撲取り自虐や、ネットのどすこいいじりは辛かった。ストーリーが進むにつれ、滝川さんの自虐がだんだん薄くなっていくのは意図してかはわからないが、私は嬉しかった。

今後も滝川さんのようなキャラクターが当たり前にいてくれるようになったらと思うし、なんの自虐も、ネタTも着る必要がない作品がどんどん出てきてほしい。

聖地巡礼したい

ハワイアンズさん素敵だ。今年ハワイアンズさんを意識したのは日プ2の応援広告がきっかけだったんですが、プールもホテルも結婚式場もあるなんて知らなかった。新採の人数見ても大企業じゃないですか!

アクアマリンふくしまも行きたいし、回廊美術館のブランコも乗りたい。

福島に行きたくなりました!